チョコレートは冷蔵庫に入れる?正しい保存方法と賞味期限について森永製菓に聞いた
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チョコレートは冷蔵庫で保存する?賞味期限はどのくらい?
甘くて美味しいチョコレート。溶けやすいイメージも強く、冷蔵庫で保存するという人も多いはず。しかし、冷蔵庫に入れると、場合によってはチョコレート本来の美味しさが損なわれてしまうということをご存じだろうか。
今回は森永製菓・チョコレートカテゴリー担当の石黒誠司さんにお話を伺い、チョコレートを上手に保存する方法を調査した。冷蔵庫に入れた後に美味しく食べる方法や、目安となる賞味期限も併せてご紹介する。

チョコレートは冷蔵庫に入れるべき?

「冷蔵庫に入れること自体が悪いというよりは、入れるとき、出して食べるときに工夫が必要です。チョコレートは、温度、湿度、光に弱い。ですので、その点に少し気を遣うと美味しく食べられますよ」と話すのは、森永製菓・チョコレートカテゴリー担当の石黒誠司さんだ。
冷蔵庫に入れたチョコレートを美味しく食べる方法については後述するが、重要なのはチョコレートの弱点である温度・湿度・光を避けて保管することだ。理想的な条件を満たせる場所であれば、必ずしも冷蔵庫で保管する必要はない。
冷蔵庫でチョコレートを保存する場合のポイント

特に暑い季節はチョコレートの保存に苦労してしまう。エアコンを切っている間にチョコレートが溶けてドロドロになってしまい、悲しい思いをしたことがあるという方も多いのではないだろうか。
チョコレートを守るために役立つ冷蔵庫だが、保存方法を誤るとチョコレート本来の美味しさを損ねてしまう。どうすれば冷蔵庫に入れた後のチョコレートを美味しく食べられるのか、ここでは重要なポイントを2つお伝えする。
ポイント①:チョコレートをしっかり包装し、湿気・光から守る
温度はもちろんだが、湿気や光もチョコレートの天敵。湿気は成分のバランスを崩してしまい、光は油や乳成分を劣化させてしまう。この2つをなるべく避けるための工夫が、しっかりめの包装だ。
アルミホイルで包み、さらにジップロックなど透過性の低い密封容器に入れることで、光と湿気の両方からチョコレートを守ることができる。また、ジップロックに入れれば、ほかの食品のにおいもつかなくなるので一石二鳥だ。
ポイント②:冷蔵庫から出したチョコレートはすぐに食べず、常温に戻す
包装したチョコレートを冷蔵庫から出したら、常温に戻るまで待とう。チョコレートの口どけは、ココアバターという成分が関係している。このココアバターが溶け出し、口どけの良いチョコレートだと感じられる温度は20度前後。冷たすぎると、口どけの悪い状態になってしまう。
また、包装したまま待つことで、冷蔵庫から出したときにつく水滴からチョコレートを守ることができる。待つ時間を少しでも短くしたい人は、温度設定がやや高めの野菜室に入れるのがおすすめ。
ちょっと手間ではあるが、美味しいチョコレートを食べるためならがんばれそう!でも、冷たいチョコレートが好き、という人は常温になるのを待たずにそのまま食べてもいいのだろうか?
「もちろん、冷たさはお好みなのでおまかせします。ただ、チョコレートの口どけは、甘さや香りの感じ方にも影響する重要な要素。一つひとつの商品を常に一番美味しく食べられるバランスで作っているので、正しい保存方法で本来の美味しさを楽しんでもらいたい、というのがメーカーとしての気持ちです」と、石黒さん。
チョコレートの賞味期限

チョコレートの賞味期限は商品によって異なる。生クリームが含まれているものや、水分量の多いものほど賞味期限が早いことが特徴的だ。板チョコのようなスタンダードなチョコレートの場合は、目安として製造から1年程度であれば美味しく食べられる。
しかし、長期間保管するようなことはせず、なるべく早く食べるというのが美味しく食べるコツである。
冷蔵庫に入れていたチョコレートに白い粉が!これは何?
冷蔵庫からチョコレートを取り出して見たとき、買っときにはなかった白い粉がついていることがある。カビが生えてしまった?!と驚く人もいるかもしれないが、これは成分が変異したことによって起こる症状であり、食べても特に健康上の問題はないといわれている。
白い粉の正体は、結露によって起こる「シュガーブルーム」と、原材料の一つであるカカオバターが分離したことで結晶化した「ファットブルーム」のいずれかだ。チョコレート特有の香りが落ちてしまう原因になるので、前述した正しい保存方法を徹底して、白い粉の発生をできる限り防ごう。
冷蔵庫で正しく保存して、美味しいチョコレートを食べよう!

今回はチョコレートの保存方法について詳しく解説した。チョコレートは比較的長期保存が効くものだが、中には賞味期限が短いものあるので、パッケージなどに書かれている表示をきちんと確認するようにしよう。
また、冬場であれば常温保存も可能だが、夏場であれば冷蔵庫で保存しないと溶けて食べられなくなってしまう。冷蔵庫で保存するときはアルミホイルなどに包み、ジップロックに入れて保存するといった工夫が必要だ。チョコレートの風味を損なわないように工夫して、美味しいチョコレートを味わってみてはいかがだろうか。
(田村里佳+ノオト)
2021年8月加筆=CHINTAI情報局編集部