夜中に布団の中で激痛が……! 足がつりやすい人の原因と対策は?
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夜中に足がつって辛い……。なにか対策はあるの?

寝ている時に急に足に激痛が……!! 夏の時期や寝ている時は、「こむら返り」が起こりやすいといわれている。しかし、いったいなぜ……? 原因と対策を専門家に聞いてみた。
「足がつるというのは、自分の意思とは関係なく筋肉が突然収縮して、けいれんを起こす状態を指します。ふくらはぎは、特につることが多い場所です」と話すのは、吉峰病院院長の吉峰公博先生。
では、実際にこむら返りが起こった場合は、どのように対処すれば良いのだろうか?
「まず、つま先を掴み、足の裏とふくらはぎの後ろの筋肉を伸ばしましょう。反動をつけて、無理に伸ばすと肉離れになってしまう場合もあるので、優しくゆっくりと伸ばすのがポイントです。足首から膝の裏に向かってさすったり、膝の裏を揉んだりして、血行を良くするのも効果的です」(吉峰公博先生)
こむら返りが発生する原因にもさまざまなものが考えられるらしい。
こむら返りの主な原因は疲労だという。特にふくらはぎは力を入れた状態が長いため、十分にほぐしてあげることが大切だとか。風呂あがりで、体がリラックスしている時に行うと◎。また、暑いからといって、シャワーだけで済ますのはNG。夏場は冷房に当たることが多いため、思った以上に体が冷えている。風呂にゆっくりつかり、血の巡りをよくすることを心がけよう。
「夏の時期でいうと、汗をかくことで電解質のバランスが崩れることも、こむら返りの原因の1つです。電解質はミネラルともいわれ、主にカルシウム・マグネシウム・カリウムなど。ミネラルの役割の1つは筋肉の動きを良くしたり、筋肉を動かす神経の働きを調節したりすることなのですが、バランスが崩れると筋肉の調整機能が落ちてしまうんですね」(吉峰公博先生)
電解質不足は兆候がないので、汗をかいたらこまめに水分補給をしよう。その際、スポーツドリンクなど吸水性が良いものを取り入れると、なお良し。夜中に足がつりやすい人は、寝る前に飲むのも効果的だ。しかし、飲み過ぎると夜中にトイレに起きたりして、疲れがとれなくなってしまうので飲みすぎには要注意。とにかく足を使ったと実感した場合はストレッチなどを意識的に行い、そしてスポーツドリンクなどで水分と共に塩分やミネラルの摂取も忘れないようにしたい。
以上をまとめるとこむら返りの対策は、「疲労回復」、「冷え解消」、「電解質の摂取」にある。ただ、これらを行っても多発する場合は、別の病気が潜んでいることがあるので注意と吉峰先生。
「ふくらはぎは第2の心臓ともいわれるほど、全身のさまざまな器官との関わりがある箇所です。脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニア、甲状腺や動脈硬化、腎臓や肝臓の異常がある場合もあるので、その時は、医師に相談をしてみてください」(吉峰公博先生)
こむら返りが起こった時に慌てることがないように、まずはその原因を知っておきたい。
足がつる原因
足がつる原因としては以下の5つが挙げられる。1つずつ詳しく見ていこう。
足がつる原因①:栄養不足
筋肉が働くためにはミネラルという栄養素が必要だ。ミネラルは電解質、イオンとも言われる。ミネラルの必要量は微量でOKだともいわれているが、体内で作れないのが難点だ。
ミネラルの中でもカルシウム・カリウムには筋肉の収縮をスムーズにし、マグネシウムにはこれら2つの成分を調整する働きがある。
つまり、栄養が偏ると、筋肉の動きに大きく影響することになる。偏食気味の人は要注意だ。
足がつる原因②:水分不足
筋肉細胞の反応のしやすさを司るミネラルには、カルシウムやカリウムの他にナトリウム・水素なども含まれる。汗をかくと、体内の水分が排出されるのと同時にこれらの電解質成分も体外に排出されてしまう。
この時、単に水分を補っただけでは、体液が薄まってしまうことになり、体は本能的に濃度を元に戻すべく水分をさらに排出しようとするのだ。脱水症状は足がつる原因でもあるが、命の危険に繋がる可能性もあるので注意したい。
アルコールやカフェイン飲料などには利尿作用があるため、こちらも摂り過ぎると水分不足となり、足がつりやすくなる。
足がつる原因③:冷え

寒い時期だけでなく、夏場に冷房で冷えてしまった時にも、足の筋肉が収縮を起こしやすくなるのは、このようなメカニズムによるものだ。
足がつる原因④:運動不足やウォーミングアップ不足
運動をすると血行が促進されることはよく知られている。逆に運動不足では、血行不良となるのも頷ける。
日頃の運動量が減ると筋肉量が徐々に落ちていくことも分かっており、筋力の低下は血流の低下を招くのだ。血流が悪化すれば、必要な栄養が足先にまで行き届かなくなり、足がつりやすくなる。
「運動をしていれば足がつらないだろう」と思いがちだが、突然激しい運動をするのはNGだ。足の筋肉は、冷えた状態で過度の緊張をかけると乳酸(疲労物質)が溜まり、足がつりやすくなる。また、激しい運動で汗を大量にかくと、これもまたミネラルと水分不足で足のつりを招きやすくなる原因となるのだ。
足がつる原因⑤:姿勢や環境
同じ姿勢を長時間続けたり、体の特定の箇所に負担がかかるような姿勢を続けたりすると、血行が悪くなる。「仕事で長い間立ちっぱなし、座りっぱなしでよく足がつる」という人も多いだろう。血行が悪化し、疲労物質が溜まりやすくなっているため、足がつりやすくなるのだ。
また、寝ている時にはほとんど体を動かさないため、心拍数と血行はともに下がっているのが一般的だ。睡眠中にはコップ1杯の汗をかくといわれていて、脱水症状にもなりやすい。
脱水症状によりイオンのバランスが崩れ、血行不良でミネラルも足りていない状態で、寝返りによる刺激が足の筋肉にいくと、こむらがえり(足のつり)が発生することになる。
他にも、仰向けの姿勢で重い掛布団を使うことも、足がつりやすくなるといわれているので注意しよう。
足がつる前に予防策で対策をしよう
こむらがえりは一過性のものだと頭で理解はしていても、実際になるとつらいものだ。突然のこむらがえりでのたうち回らないためにも、事前に予防策を講じておこう。
基本的ではあるが、効果的な予防策を4つ紹介する。
こむらがえりの予防策②:水分をこまめに補給する

水分不足や脱水症状にならないためにも、常日頃から水を入れたマイボトルを持ち歩くのが理想だ。欧米では、学生ばかりでなく、スーツを着たサラリーマンが颯爽とマイボトルを取り出す場面も多い。マイボトルを持ち歩くことは、もはや当たり前の時代なのだ。
また、就寝前に1杯の水もしくはスポーツドリンクを飲むのも効果的である。常温であれば、体に優しくて尚良いだろう。ただし、水分を摂り過ぎると冷えに繋がるため注意しよう。
こむらがえりの予防策②:ウォーミングアップをしっかり行う
運動不足の人だけでなく、普段運動をしている人でも激しい運動前には、ウォーミングアップをしっかり行うことで、足のつりを予防できる。
急な運動や激しい運動によって足の筋肉を過度に緊張させないように、ウォーミングアップで筋肉の血行を促進して筋肉を温め、柔らかくしておこう。できれば、運動後の整理体操もあわせて行うと、より効果的だ。
普段あまり運動をしないという人には、就寝前のストレッチもおすすめである。足首から先を、向こう側と手前方向へ何度か動かすだけというシンプルなものなので、気軽にやってみてほしい。
こむらがえりの予防策③:足を温める
足を温め血行を促進させて、足のつりを予防しよう。足裏には無数のツボが集まっている。お灸のように、お湯や温めるのもツボへの刺激になるので、全身の血行が促進されやすい。
足湯で膝から下を温めるのが理想だが、足首から下だけでも効果があるので、時間がない時には洗面器で試してみてはいかがだろうか。
足を温める方法としては、入浴、足湯の他に、湯たんぽを使うという手もある。1.5Lのペットボトルに45度くらいのお湯を入れ、タオルでくるんだものでも代用できるのでおすすめだ。
こむらがえりの予防策④:筋肉疲労に効果がある食べ物を食べる
筋肉疲労に効果のある栄養素では、タウリン・ビタミンB1・カリウムなどが挙げられる。
具体的におすすめしたい食材では、あさり・しじみ・たこ・ほたて・いかなどの魚介類(タウリン)、豚肉・かぶ・大豆製品・鱈(ビタミンB1)、バナナ・なつみかん・里芋・かぼちゃ・キャベツ(カリウム)などとなっている。
これらを含んだ食材を意識して食べるようにすれば、足のつりの予防になるのでおすすめだ。できる範囲で、毎日少しずつメニューに取り入れてみよう。
こむらがえりを予防して、健康的な毎日を送ろう
暑い時期でも寒い時期でも、条件が揃ってしまうとやってくるのが「足のつり」。「最近よく足がつるな」と感じたら、自分の生活スタイルを顧みてみよう。そして、紹介した対策を行い、こむらがえりに邪魔されることなく、安眠を得よう!
▼「よく足がつる」という人必見!体質を改善し、足をつりにくい身体を作ってみよう。
▼ビギナー向け医療コラムでも「足がつる」原因と対策をご紹介。合わせてチェックしよう!
(松澤夏織+ノオト)
※記事内で紹介する内容は一定の効果を保証するものではありません
2021年5月加筆=CHINTAI情報局編集部
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