入浴しながらの飲酒はNG? 正しい温泉の入り方をマスターしよう

公開日:2014年8月18日

正しい温泉の入り方は?

普段、何気なく入っている温泉。入り方によっては、ダイエットや美肌効果を期待できるが、逆に間違った入り方をしてしまうと、体に負担をかけてしまう場合も。この機会に正しい温泉の入浴法をマスターしよう。

せっかくの温泉旅行で体調を崩さないよう、正しい入浴法を身につけよう
せっかくの温泉旅行で体調を崩さないよう、正しい入浴法を身につけよう

そこで、美容やダイエット、健康といった側面からの温泉知識を身につけた人に認定される「温泉ビューティー&ダイエットソムリエ」の加藤貴也さんに、話を聞いた。

温泉に入りながらの飲酒はOK? NG?

「温泉もアルコールも、共に血行を良くする効果があります。ただし入浴と飲酒を同時にするのは、体に大きな負担をかける恐れがあり、体調が悪化しかねません。また、温泉成分により浴室は滑りやすい状態になっていることが多く、酔った状態で入浴をすると、転倒などの事故に繋がる可能性も。体調・安全面から考えて、飲酒は入浴後にしましょう。ただし、入浴直後は、思った以上に体に負担がかかった状態なので、30分~1時間ほど休憩してから、飲酒するのが理想的です」

入浴するなら食前、食後どちらがオススメ?

「入浴するタイミングですが、食事をする前がオススメです。なぜなら、食事をすると消化をするために胃に血液が集まります。入浴をすると血流が良くなり、血液が全身に分散するため、胃に血が集まりにくく、消化不良で体に悪影響を及ぼす可能性があります。食後に入浴する場合は、30分~1時間ほど休憩してからにしましょう」

入浴前に石けんで体をゴシゴシ。これがマナーですよね?

「数ある温泉のなかには、『 美人の湯』といわれ、角質や汚れをキレイにすることで美肌効果を期待できる温泉があります。加えて、pH値7.5以上で弱アルカリ性の温泉も美肌効果が期待できます。美肌になるための入浴法ですが、温泉には皮脂や角質を落とす効果があるので、入浴前に石けんをつけたタオルなどで体をゴシゴシこする必要はありません。効果の強い温泉の場合は、逆に肌がダメージを受けてしまう恐れがあるので、手で体を撫でる程度で十分です。また、温泉に入ると古い角質が取れ、新しい角質が現れます。新しい角質は弱いので、入浴後は10分以内を目安に保湿をしましょう」

温泉でダイエットできるって本当?

「入浴、とくに42度以上の全身浴は、ジョギングに匹敵するほどの消費カロリーといわれています。ただし、長湯してしまうと体の負担が大きいので、3分間の入浴を3回に分ける分割浴がオススメ。あわせて炭水化物を減らすといった、食事管理と組み合わせることで効果的なダイエットが期待できます。また、温泉地によっては『 飲泉』が可能なところもあります。飲泉とは、温泉水を飲む療養法。温泉に含まれている成分が消化器官から吸収されるため、薬を飲むのと同じような感覚で薬効を期待できます。入浴と飲泉を活用し、体の外側と内側から温泉成分を吸収して健康になることで、ダイエット効果もあります。なお、飲泉する場合は、必ず飲泉許可を受けている温泉で、飲用上の注意を守るようにしましょうね」

そのほか、温泉に入るときの注意点は?

「入浴すると新陳代謝が活発になり、発汗するので、脱水や湯あたりを防ぐためにも、入浴後だけでなく入浴前にも十分な水分補給をするようにしましょう。湯あたりは、単純にその温泉が体に合わない場合と、体が良くなる過程で一時的に不調になる好転反応の場合があります。その違いは見分けにくいので、湯あたりになったら入浴を止めて1日休憩をとり、復調してから入浴してください。『酸性泉』『硫黄泉』『放射能泉』などが比較的湯あたりを起こしやすく、『単純温泉』『二酸化炭素泉』は湯あたりになりにくいので、入浴前に泉質をチェックするとよいでしょう。また、刺激が強い温泉もあるので、体への負担を避けるため、手や足など心臓から遠いところから順にかけ湯をして、体を温泉の温度や泉質に十分慣らしてから入浴するようにしましょう」

うっかりやってしまいがちな、入浴中の飲酒や食後の温泉。正しい入浴法を守って、この夏温泉を楽しもう!

(平野友紀子/ノオト)

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