【LEDは大丈夫?】睡眠を阻害する照明がある? “光”が人に与える影響とは

公開日:2013年11月18日

LEDが省エネなのは承知しているけど、いまだに白熱灯にこだわる人もいる。理由は、「白熱灯はリラックスできる」、あるいは「LEDや蛍光灯じゃ眩しすぎて眠れない」等々。照明の種類によって、睡眠に与える影響は異なるのだろうか?

快適な睡眠を求めるなら、就寝前のスマホの使用はほどほどにした方が良さそう。

快適な睡眠を求めるなら、就寝前のスマホの使用はほどほどにした方が良さそう。

「眠気は、メラトニンという脳内の松果体から分泌される睡眠ホルモンに関係します。メラトニンの多くは夜に分泌されますので、白熱灯のように温かな光色や、暗い部屋ですとメラトニンの分泌を促進させることになります」

こう解説してくれたのは、照明デザイナーの中嶌龍興さん。逆に、脳を覚醒させる照明ってあるの?

「第一に、集中力を高めて生産性を上げようすると、メラトニンの分泌が少なくなる“朝から午後にかけて”作業を行うことが理想です。自然採光だけで不十分な場合は、自然光に似た演色性の高い昼白色の蛍光灯、もしくはLED照明で補うのが望ましいといえるでしょう」

つまり、睡眠に向くのは白熱灯、もしくは白熱灯に性質の似た一部のLED照明で、集中力を高めるのは白い光を放つ蛍光灯かLED照明ということなのだ。

ちなみに、最近スマホの普及率が約5割に達した日本。長時間、スマホやタブレットから発せられる“光”に触れる人も少なくないが、それらが人に与える影響は?

「スマホやタブレットからは、ブルーライト (短波長)のスペクトルが出ています。これが目に入ると、メラトニンの分布を抑制してしまうのです。よって、就寝前までタブレットやパソコンを長時間使用していると、良質な睡眠の妨げになる恐れがあります」

「スマホでネットサーフィンしていたら、朝になっていた!」なんて痛い経験がある筆者としては、妙に納得してしまう話だが……。

「メラトニンは10代をピークとし、高齢になるつれその量は減少します。よって、高齢者の方がスマホを長時間使用する際は、注意が必要ですね」

部屋でのんびりしながら寝る前にスマホで映画を見るなんて習慣は、リラックスどころか睡眠の妨げになるということか……。いずれにせよ、「最近眠りが浅いかも」という人は、部屋の照明を見直してみてはいかが?

(両角はるか+ノオト)

<関連リンク>
▼中島龍興照明デザイン研究所
http://www.h2.dion.ne.jp/~nakajima/

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